《内田彩 Canary Yellow 歌詞考察》
さて、本日発売となりました「Canary Yellow」 ですが、今回も非常に良い曲になってましたね。。。
安心と信頼のhisakuniクオリティ。
Pale Blue に引き続きかなり好きな曲だったので、想いを綴って置きたいと思います。
正直なところ、Pale Blueがかなり良かったので、流れを汲みつつこれに匹敵する曲を作るのは無理があるんじゃないか思っていましたが、杞憂に終わりましたね。
試聴の時点でかなりの完成度の高さを感じていましたが、Fullで聞くとさらに驚かされることばかりで本当に素晴らしいです。
まず、曲調として、まさかこの系統で来るとは。。。という驚き。
hisakuniさんらしさの感じられるお洒落な曲。
なんか途中で曲調が一瞬変わるところも、すごく気持ちいい。
そして歌詞的にもPale Blueの流れを絶妙に引き継いでいて、かなり上手い。
前作の要素を露骨にがっつり入れられるのは好きじゃない派なので、その点が非常に程よく感じます。
早くライブでこの2曲を聴きたすぎる。。。
ちょっとまだまだ読み込みは足りないかもしれませんが、早速歌詞全文を見ていきたいと思います。
ただ、その前にPale Blueを含めたこの2曲の位置関係を話しときたいと思います。
Canary Yellowを聞いたことで、Pale Blueの解釈も若干変わった気がします。
まず、この2曲を通して見ると、これは完全に恋寄りの曲なんですよね。
Pale Blueのインタビューを読んで、以外と友情よりなのかなぁと思ったのですが、Canary Yellowを聞いてみると全然そんなことないやんといった感じ。
ゴリゴリに恋してますね。
そして、ざっくりと言っちゃうと、Pale Blueの時点では君からの想いになんとなく気付きながらも、自分側としてはその感情を曖昧にしつつ「愛しい」で片付けてるみたいな。
そこからCanary Yellowでは、はっきりと自分の恋心を自覚しているんですよね。
ありきたりなくくりで言ってしまえば、友情→恋って感じかと思います。
ちょっとざっくりとしすぎてて正確ではないですが。
時系列的にも順当にPale Blue → Canary Yellowで良いかと思います。
それから、Pale Blueの時点では”線”ってのが大事なキーワードなのかなと思っていたんですが、一番しっかりと見るべきは括弧書きのセリフの部分だった気もします。
まぁ、見ればわかりますが、Pale Blueは君のセリフで、Canary Yellowでは自分のセリフが括弧書きになってます。
詳しいところは歌詞を読み進めながら見ていきたいと思います。
それでは
まずタイトル。
なんで「Canary Yellow」?
ここはかなり大事なところ。
Blue→Yellowの流れを考えないといけないんですが、アニメでEDが披露されてからというもの、この記事の書き始めの段階では答えにたどり着いてません。
Yellowでなければならない理由があるはずなんですよね。
PaleからCanaryということで色の形容として、少しはっきりとしたものに変わっている点に関してはなんとなく理由がわかるのですが、Yellowについてはお手上げです。
書きながら多少は理解が深まると思うので、書き終わった時にたどり着けてればいいなぁと思い、一旦後回しにします。
木漏れ日のようなライン走るマグカップ
そっと指でなぞる 整った指先
見惚れた時聞こえた気がしたんだ
しまってたはずの蕾が芽吹いてゆく
マグカップはやくも用キーワードな感じですが、ラインに対して「木漏れ日のような」で形容するセンスですよね。
ちなみにここは「淡い日差しが降り注ぐ(Pale Blueより)」を受けてのものかと。
そして、聞こえちゃってるんですよね。。。
あとを読むとわかりますが、これは恋の音ですね。
(だって恋の音がした/最後の花火より)
(「最後の花火」大好きオタクとしては恋の音を入れてくるのはアツすぎる)
もちろん芽吹くのは恋心。
Pale Blue時点では意識的にしまってたわけではないと思うのですが、タイトルも示すように、関係を曖昧さで終わらせていたような気がします。
曖昧な語尾が増える毎日だけど
曖昧にしたくない気持ちを知った
自分の気持ちを自覚すると共に、淡く蒼い輪郭をはっきりとさせたくなったわけですね。
このはっきりとさせたいという想いがCanaryに通ずるところかと思います。
成長が伺えます。
いまこの瞬間を 君との会話を
思い出すときがいつかくるのかな?
「いまこの瞬間を 君との会話を 思い出すときがいつかくるのかな?」ってとこなんですけど、現在だけじゃなくて未來に目を向けてるんですよね。
Pale Blueにおいても、青春を描きつつもどこか俯瞰したような大人な雰囲気が入っていたのですが、こういうところなんですよね。
この大人感に関しては今の内田彩が歌ってるからのものであって、メタ的要素な感じは少ししますね。
ミライに花向けたト書きがあるなら
「このままがいい」
一緒にいるのになぜ?少し寂しくなって
思ってもないことうそぶく私を
いつもと変わらずに笑ってくれたから
「好き」の音が柔らかく響いた
ここの「このままがいい」のセリフに関してはト書ということで、実際に発した言葉というよりは、この子のモノローグ的な心の中でのセリフかと思います。
この二人の関係性という物語の中でのト書き。
その後に「思ってもないことうそぶく私を」とあるので、実際のセリフとして取れなくもない気は少ししましたが、こっちの「うそぶく」は「このままがいい」というト書を踏まえた上で行われている、ここには書かれてない君との会話に対してのものな気がします。
そしてこのセリフに関連して、Pale Blueにおいては、”君”が「ありふれた毎日だ」ってうそぶいているんですよね。
こっちは実際に発してるセリフです。
Pale Blue時点状況においては、何気ない毎日が掛け替えのない幸せなものだと分かりつつも、ぽつんとつぶやいているような感じかと。
そんな「ありふれた毎日だ」に対して、モノローグではありますが「このままがいい」で返す形になってると思います。
この時点では自分の恋を確信できてはない気がするので、そういうことでの「このままでいい」なんですよね。
とはいえ、曖昧にしたくないという思いも徐々に芽生えていて。
完全な本心とは言い切れないですが、現段階ではどちらかというと曖昧なままの関係を崩したくないという想いの方が強いのかと思います。
それから最後の
「好き」の音が柔らかく響いた
これは「最後の花火」的に言うと恋の音な訳ですが、注目すべきは「好き」が括弧書きになっているところ。
これはこの子の心の中に響く、無意識的に発せられるようなモノローグかと思います。
ここが明確に恋を自覚する瞬間。
ここまで読むと分かりますが、冒頭の「見惚れた時聞こえた気がしたんだ」のところで聞こえた気がしたのは、この「好き」だと思いますね。
2倍速を選びたくなっちゃうような
退屈だった毎日が突然 見渡す限り鮮やか Canary Yellow
咲いてゆく 咲いてゆく
私 恋してるんだ
でも、、、
恋をして退屈な毎日が色づき始める感じ。
冒頭で芽吹いた蕾が咲き始めるわけですね。
この時点では完全に恋を自覚しています。
そしてここで唯一タイトルの「Canary Yellow」が出てきます。
Pale Blueの時には一度も出てこなかったんですけどね。
歌詞カードを見ると恋をして色づく世界の形容として使われてる気がしますが、音源を聴くと「咲いてゆく」に掛かってる気もします。
まぁ、歌詞カードがある以上そっちを優先すべきかと思うので、現状では色づいた世界のことをCanary Yellowと表現しているという解釈でいます。
多分この曲のタイトルの手がかりとしてはここを読むしかない気がするんですが、やっぱりよくわからないですね。
なぜYellowじゃないといけなかったのか。。。
どっかで自信がなくて 気持ちを疑って
君のことを好きになっちゃダメかな?
いまこの関係をギュッと抱きしめたいのに
壊したくたくない
君がなぞっていた線の続きをそっと
探すように指で追いかけた
この恋の結末に期限があるのなら
勇気をだして
恋心を自覚しつつも、まだ不安な気持ちはあるわけで。
「いまこの関係をギュッと抱きしめたいのに」ここの表現も素敵。
"関係"を"抱きしめたい"、しかも"ギュッ"と。
強く抱きしめたいけど、壊したくはない。
そしてPale Blueのでは「二つの線が 交わる気がするんだ」という、恋の予感を感じさせるような、未来に期待するような雰囲気で終わっていたんですが、
なんとここでは自ら君の線を追いかけにいくわけですね。
これは大きな一歩を踏み出したなという感じがします。
それからここの「恋の期限」についてはちょっと急に出てきたような印象を受けました。
全てのものは有限で、終わりのないモノなんてないわけですが。
「勇気を出して」のきっかけになる非常に大事なところなので、もう少し考えてみたいと思います。
「なんかちょっと似てるね」
目配せて 恥ずかしくなった
淡く蒼い風が吹いて 2人の頬を撫でた
はいここ!!!
ここがね、クライマックスですよ。
この「なんかちょっと似てるね」はPale Blueにおいて、君が目配せて言ったセリフですね。
Pale Blueの時点で、この子は気づいてませんでしたが、これは実質愛の告白なんですよね。
I LOVE YOUとまでは行かないけど「月が綺麗ですね」ぐらいの感じ。
この二人だけがわかる二人だけの言葉。
恋を自覚してあの時君が言った言葉の意味を分かったからこそ、勇気を出して同じ言葉を自分から言うわけですね。
ここでようやくお互いの気持ちが確かめられたというところでしょうか。
「なんかちょっと似てるね」でお互いの想いを確かめ合うの、まじで綺麗。
ちなみにPale Blueでは「淡く蒼い季節 薫る」だったものが、「淡く蒼い風が吹いて」に変わってますね。
いまこの瞬間を 君との会話を
思い出すときがいつかくるのかな?
ミライに花向けたト書きがあるなら
「このままじゃイヤ」
一緒にいるのになぜ?少し寂しくなって
思ってもないことをうそぶく私を
いつもと変わらずに笑ってくれたから
この好きの音 君にも聞こえますか?
ついにラスト。
「このままでいい」だったト書が「このままじゃイヤ」に変わりましたね。
自分の恋を自覚して、二人だけの言葉で想いを確かめ合ったからこその成長が感じられます。
それから最初のところで流してしまったのですが、「ミライに花向けたト書き」について。
少し調べた感じ、「花向け」は誤用っぽいんですが、字面としてはいい感じだと思います。
そんなことよりもここの「ミライ」ですね。
Pale Blueの時の「アイモカワラズニ」には"相も変わらずに"と"愛も変わらずに"的なダブルミーニングで取れなくなかったのですが、今回はどうしたものか。
ここもよくわからないので、もう少し考えたいと思います。
そして「この好きの音 君にも聞こえますか?」で締められるわけですが、ここの"好き"は括弧書きではないんですよね。
一番終わりの"「好き」の音"は恋の自覚のきっかけになるモノローグだったのですが、ラストでは括弧がなくなり、"この"が追加されてるんですよね。
ここでの"好きの音"ってのはかなり抽象的なもので、自分の恋心に向き合い覚悟を決めたからこそ、この子から漂う君への想いみたいなものかと思います。
会話の中に溢れちゃう恋心というかなんというか。
とにかく恋する女の子の音なんですよ!
"この"が追加されてるのは、自分の恋としてはっきりと自覚できるようになったからということですね。
あんま上手く説明できないですが、締めとしては綺麗なことは見ただけでわかるかと思います。
僕にはしっかりと好きの音が聞こえました。
さて、最後まで読んでみましたが、やっぱ上手いですよね。
Pale Blueからの流れのを絶妙に汲んでいて、2曲通して本当に綺麗に仕上げられているかと思います。
美しい表現も多かったですね。
こんな素晴らしい楽曲が加わったのが嬉しすぎるし、ライブもますます楽しみになってきましたね。
とりあえず発売日当日ということで、現段階での自分の解釈を綴ってみました。
保留にしたようなところも多いですが。。。
そして一番大事な「なぜYellowなのか?」ということに対する答えはよくわからないままですね。
そもそもPale Blueに関しても青春→青ぐらいの感じで納得しちゃってるところはありますし。。。
とは言えこうして聴いていると、黄色以外ありえな気がしてくるぐらいにはハマってるなぁと感じますね。
また時間をおいて聴いてみると新たな発見があったりすると思うので、その時は追記したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。